2009年1月4日日曜日

とんだ大晦日(2008/12/31)

帰省二日目。早朝に夢の中で「助けてぇ、助けてぇ」と誰かが叫んでいる。ふと眼が開き「夢か?」と思ったのもつかの間、まだ「助けてぇ」と声が聞こえている。聞こえて来るのは実家の裏手で、慌てて駆けつけると誤ってモノの下敷きになった実母の姿があった。大晦日であり、しかも決して都会とはいえない瀬戸内の田舎であるが、当番医が市立の病院でありレントゲン医が居たのは不幸中の幸いだった。診察の結果は肩の骨折。手を吊り「情け無い!」と悔やむ実母を見ていると可哀想でならない。

一昨年の年末は実父が足を骨折、昨年は元日から実母が風邪で寝込んだ。
昭和の時代を共に生きてきた家族が皆、年齢を重ね確実に老いて行っている事を、毎年末に改めて感じるのである。
勿論、自分自身も老いて行っている事も・・・。
そんな事からか、この所、年末には確実に兄弟達が集まっている気がする。
昨日は夕刻に実姉が帰省し、この日の午後が実兄が四人家族で帰ってきた。

夕刻から鍋を囲んで、まあそれなりに賑やかな宴を開く。
それにしても、どのチャンネルを回しても大晦日のテレビ番組ほど今のこの世の中の低脳振りを反映したものは無い。
興味の無い格闘技か、何時までも変わらない「ド」の付くほど下らない演出の国営放送の歌番組か、「下町」と言う名の下らない漫才師の演出する「笑えない」バラエティ番組位しかない。
特に「下町」と言う名の下らない漫才師の番組は、甥っ子、姪っ子が見始めた事もあり暫く見ていたのだが、いい歳をした大人が内輪の貧乏芸人相手にイジメを繰り返している様を番組にしている様にしか見えず、少し見ただけで気分が悪くなった。
あんな「イジメ」を見て笑える人間は、或る意味「不幸」だ。
人を「イジメ」て視聴率が取れると言うのは、それだけ人心が殺伐としている証拠であり、誰もが日頃何かに虐められているから、更に弱い者を虐める(或いは虐めたい)という心理の現れだろう。

そんな事を思っている間に入浴の時間となり、普段は実母に風呂に入れてもらっている年老いた実父を風呂に入れる。
実父の背中を流したのは何年ぶりだか定かではないが、親孝行が出来るという事は、つくづく幸せな事だと今更ながらに思う。
そうこうする内に年を越した。