11月からの新たなミッションが決まった。
この春まで長年続いた現場処理の現場から入院のための戦力外通告を受け、拾ってもらったのが今の部署。4月から十数年にわたった現場処理のスキルを文書化し、クライアントに細々と売ったのが三ヶ月、その後は慣れない技術の、導入コンサルティングなどと言う肩書きを貰っていたが、仕事には向き不向きがあると言うのを実感した3ヶ月。
他方この一ヶ月来、組織は新たなクライアントから現場処理もわかる刺客を要求されていた。
クライアントの要求はただ一つ、「ハケンのクビを斬ってくれ」なのである。
そこでまた部署が変わるのである。
現場処理人の部署を転属させてまで請け負う今度のミッションは、「必殺クビ斬り人」。
相手が誰であろうと、相手に何と言われようと、脅されようと、泣きつかれようと容赦なく、非情を貫き相手のクビを斬って斬って斬りまくるしかないのである。
現場処理が本職なので、当然、「クビ!」を通告する立ち回りは気は向かない。
けどやるしかないのである。
脳裡には、恨みを買って電車のホームから突き飛ばされる姿が浮かぶこともある。
けどやるしかないのである。
やらねば、自分が「クビ!」なのだ。
所詮、この組織は「口入屋」。
所謂、おいらは「口入屋から来た刺客」。
いくらクビを切ったとて、手にする給与は変わらないのだが。。