2010年4月18日日曜日

ノモンハンの真実 古是三春 産経新聞出版













ノモンハン事件とは太平洋戦争前に起きた満蒙(日ソ)の国境争いとは知っていたが、自分自身では国境兵同士の散発的な紛争と言うイメージを持っていた。
だが実際は関東軍の人的損失約二万一千人余り、部隊の約77%を失った壊滅的な負け戦=戦争なのである。
太平洋戦争終戦後、何年経ても意図的に「事件」と教える所にこの国の「自らの負の歴史を真正面から捉えようとしない逃げの姿勢」が見え隠れして情けなくなる。

関東軍のノモンハンでの失敗の要因は、、、

①思い込みによる戦力の正当な評価を欠いたこと
歩兵兵力が戦闘の主であり、近代兵器の戦車は補助兵力でしかないと言う偏見、不合理な思い込み(欧米とは全く異なる発想)。
②精神主義の横行
戦車と歩兵を共に行軍すれば歩兵の速力が高まり速く進軍できると言った根拠の無い精神論が軸になって作戦が進められたこと。
③後方支援の軽視
作戦上極めて重要な意味を持つのはハルハ川西岸への渡河しての越境攻撃であったが、渡河に旧式の使えない資材しか割り当てらず作戦遂行に難渋したこと。
④上層部の現状把握の不足
関東軍司令官辻政信の思い込みによる「ソ連蒙古両軍は退却傾向にある」と言う事実誤認がまかり通ったこと。辻は自ら偵察機に搭乗し偵察しつつもこの間違った情報を流し続けた。
⑤幹部の責任逃れ
ハルハ川西岸への越境攻撃を勝ち目なく退却を迫られ「作戦目的は一定の成果あり」等と自らの作戦計画の無謀さを棚に上げる幹部の責任逃れ。

これらの要因から、前線の兵は戦車兵も歩兵も訓練しつくされた正確さでソ連兵を驚嘆させ、脅かしながらも、やがて力尽き敗走するに至ったのであった。

にもかかわらず、学習しない組織「日本軍」はこの失敗の後、太平洋戦争に突入。
まともな失敗の検証も無いままにガダルカナル、インパール、レイテ、沖縄と無責任な戦闘を繰り返し、負けるべくして負け、無数の兵と罪のない非戦闘員の貴重な命が奪われるべくして奪われる結果を招くことになるのである。
何ともやりきれない話だ。まさに組織犯罪である。

だがしかし、以上の様な失敗の要因は、そっくりそのまま今の日本企業にも当てはまる話である。
どうやら、この国は現場の一人一人は勤勉で真面目で結果を生むのであるが、「合理的かつ戦略的な行動、判断」な組織行動が不得手な様だ。特に企業経営ではその傾向が強い。

自国の負の歴史に学ばない、この国の弱点である。

2010年4月7日水曜日

配転流転

4/1期替わり。

丁度一ヶ月ぶりの社会復帰。
出社したらいきなり失効厄員の本部長が面談するという。
いよいよ戦力外通知か・・・・?

開口一番、他部署への配転!であった。

まあ、長い間苦労ばかりで疲れたんじゃない?ちょっとは外の空気吸ってみれば?っと好意的に受け取るか?
お前はもう中では要らねーんだょ!と捨てやがったなと懐疑的に受け取るか?
どちらとも取れないことはない。
が、これでまた立呑屋の店主(オヤジ)になりそびれた。

まあやる事は一緒だが、内向きのお守か外向きのお守かの違いである。
因みに今度の部署は前期末で辞めたY課長の出身部署であったのだ。

人が病めて、他人が辞めて、病み上がりの人が辞めた他人の元の鞘に収まる。

こうやって今期もまた始まったばかり。